会員コラム

多彩な顔を持つ把瑠都の国 エストニア

2014-09-28

バルト三国のエストニアへは日本からは直行便はなく、フランクフルト、インタンブール等からの乗り継ぎとなる。今回はノルウェーからの移動であったため、オスロから約1時間半のフライト。
エストニアは旧ソビエト連邦から1991年に独立した。国土面積4.5万平方Km(日本の約1/9)、人口約130万人の小国である。冬場は気温-20℃位、夏場は30℃近くになり寒暖の差は大きい。大相撲 把瑠都関の出身国だが、彼は国内でも有名であり、ヒーロー扱い。旧社会主義国であった名残は感じられず、民主化、市場経済化が進んでいる。通貨はユーロを2011年より導入している。また、インターネット電話のSkypeが開発されたのもエストニアでIT先進国となっている。
国民性は穏やかといった印象である。母国語はエストニア語であるが、商業施設では殆ど英語が通じるので苦労はしない。市内には大規模なショッピングモール(地元資本、北欧資本が混在)が多数あり、日本と同様オーバーストア気味。物価水準は日本より少し安い程度。ミネラルウォーター500mlで0.6ユーロ程。物価が超高い北欧諸国と比べると、まさに楽園、財布を気にせずに飲んで食べられる。ちなみにノルウェーではミネラルウォーター500mlは25クローネ(約420円)、マクドナルドのハンバーガーセットが120クローネ(約2,000円)と日本の約4倍、財布にやさしくない。
観光名所は97年にユネスコの世界遺産に登録された首都タリン旧市街地にある「歴史地区」。タリンは13世紀にデンマーク人によってつくられ、ドイツ騎士団、スウェーデン、ロシア帝国と支配者が変わってきたという歴史をもつ。当時の色合いを残す歴史的な建物が多数現存する。
なかでも旧市庁舎広場は、ベルギー・ブリュッセルのグランプラスの様な佇まいである。ちょうど8月後半は観光シーズンで、オープンカフェで昼間からエストニア・ビールを楽しむ観光客で賑わっていた。
ロシア、ラトビアとの国境を持ってはいるが、バルト海を隔ててフェリーで1時間半程のフィンランドとの交易が盛んということ、また北欧資本も多数存在することから、北欧の顔も持つユニークな国である。

著者紹介
山下 正人(やました まさと)
2010年中小企業診断士登録。大卒後、食品メーカーに勤務。
国内営業に従事後、現在は海外事業を担当。中小企業診断士、一級販売士。