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カンボジア プノンペンのラーメン事情

2015-03-24

94_ext_01_0 カンボジアと言えば、頭に浮かぶのはアンコールワット遺跡である。アンコールワットがあるのは、カンボジアの北西部シェムリアップの近郊であるが、首都であるプノンペンはカンボジアの中心を挟んで反対側、南東に位置する。カンボジアの人口は1340万人、国民1人当たりのGDPはようやく1,000US$を超えたあたりと、まだまだ発展途上の国でもある。近年では、タレントの猫ひろし氏が国籍をカンボジアに移してマラソンランナーとしてロンドンオリンピックを目指したことでも知られている。
首都であるプノンペンでもまだまだ発展途上であり、街にはローカル色が漂っているが、経済発展は著しく、街には活気があふれ、高層ビルも建ち始めている。市内の移動は公共交通機関はバスしかないが、ちょっと外人にはよほど慣れていないと使えない。そのため市内の移動は“トゥクトゥク”と言う乗り物となる。この運転手たちは意外と片言の英語が通じるので、行先をしっかり伝えて金額を交渉すれば、市内の移動には結構使えるのだ。使用するお金もUS$でOKだ。今回は、そのプノンペンの日系ラーメン事情をお伝えする。
カンボジアの邦人数は1200名余(2012年調べ)とASEANの中でも比較的少なく、まだまだ日本文化も入り込んでいない。しかし、日本食は少しずつ入り込んでおり、ラーメン店も進出してきている。カンボジアでの通貨はリエルであるが、プノンペンではUS$もそのまま通用してしまうので、ここではUS$でお話をしよう。
プノンペン市内でもラーメン店はもう10軒以上が開店している。中には“なんちゃってラーメン店”もあるが、本格的なラーメンも出始めているのだ。日系ラーメン店では1杯3US$くらいと比較的安いものから、中には10US$近いものまで出始めており、かなり本格的なラーメンを味わえる環境が整いつつある。私も主要なラーメン店を歩き、試食をしてみたが、3US$くらいのラーメンでも結構イケてるものもあるし、高いものはそれなりに旨く、日本と遜色ないものまであるのだ。食材の調達はかなり厳しいものがあるに違いないが、それ以上の努力でしっかりした麺とスープ、具材を揃えている店もあり、驚くばかりである。しかも東南アジアでは圧倒的にとんこつベースのスープが主流であるが、ここプノンペンではそれ以外にも醤油系、塩系等バラエティに富んだメニュー作りとなっているのだ。おそらくまだまだターゲットは現地に住んでいる邦人対象のビジネスではあると思うが、駐在員にはありがたい存在のお店であろう。
それ以外にも日本食レストランは多く出店しており、近い将来激戦になるのは間違いないと思われる。しかもカンボジアでは外資の誘致に積極的であり、飲食業も100%外資での登記が可能である(2015年3月現在)。
そんなプノンペンの日系ラーメン事情を今回はお伝えした。

 ワールドビジネス研究会会員 廣井 正義
食品会社に勤務後、早期退職して独立。現在独立コンサルタントとして活動している。
中小企業診断士、一級販売士